「家じまい」にあたり写真屋にできること

 先々月の話。同級生から「両親が実家を売却することにしたので、家の写真を撮ってアルバム作って親に贈ろうと思ってるから、今度フォトブックの作り方教えてね」と連絡あり。彼は幼稚園から中学校までご一緒の同級生。ここ数年、同級生やご近所さんの家じまいの話がちらほら。 特に私が生まれ育ったタクミカメラ周辺エリアは、土地の値段も上がってきているので、土地ごと手放す選択をする人が多く、小さいころから見慣れたお家が売りに出され、1軒また1軒とオフィスビルやマンションに建て替えられ、近隣の景色もだいぶ変わってきた。

 そんな中での今回の連絡。一度も遊びに行ったことはないお家だったけど、お家の前は幾度となく通っており、あそこに彼の家があるのが私のあたりまえな風景だった。そうかぁーあそこもなくなっちゃうんだなぁ…となんとも寂しい感覚に。

 生まれ育った家じまいに写真屋としてお手伝いできることがあるんじゃないかなと思い…「私の主人、私の父から建築の竣工写真撮影を引き継いだ人なんだけど、時間があったらお家とお別れする前に、お家を私たちにも撮らせてもらえないかな?自分で撮った写真に私たちが撮った写真も織り交ぜて、私にフォトブック作らせてもらえないかな?」とご提案してみたところ…家を引き渡すにあたって、家の中はぐちゃぐちゃだから親が承諾してくれるかな・・・(^^;)と言いつつ、数日後にはご快諾。

 店主のスーさんと私で、片付け真っただ中のお家にお邪魔して撮影させて頂きました。築80年近いお家には、当たり前だけど80年の営みが詰まっていて…扉、土間、キッチン、階段…私は遊びに来たことはなかったけど、どこを撮ってもなんだか懐かしい雰囲気で、これまでの営みを感じるシーンばかり。時間制限なければ、どんだけでも撮り続けられるなぁと思うほどでした。撮影終了後には、久々にお会いした彼のお母さまに、お抹茶を立てて頂き、おいしいお饅頭をほおばりながら、お母さまの楽しいお話も伺うことができ、ステキな時間を過ごさせて頂きました。

 撮らせていただいたシーンに、ご家族の方々がご自身で撮られた思い出のシーンも織り交ぜて、1冊のフォトブックが完成。後日、お父さまがフォトブックを穏やかな表情でご覧になられている写真とともにお礼のご連絡が届きました。撮らせて頂いてよかったなぁと思っていると、数日後、ご姉妹さま分の増刷ご依頼を承り、ありがたいなぁと思っていると、またその数日後「母が親族にも配りたいと言っているので」とさらに増刷のご依頼を承りました。ご家族みなさんに喜んで頂けたようで、本当によかったなぁと。

 お家はすでに建て替えに向け取り壊され…昨日までそこに当たり前にあった建物が、あっという間になくなっちゃうんだなぁと、なんとも言えない寂しさも身をもって体験しましたが、あの場所に同級生のお家があったこと、そこでの営みを1冊のフォトブックにまとめられたことはよかったなぁと。

 これからも、お渡ししたフォトブックをめくるたびに、ご家族それぞれのお家にまつわるいろんな記憶が蘇って、ご家族の笑顔の時間が増えたらうれしいなぁと思っております。

「家じまい写真撮ってほしい!」「家の写真でフォトブックを作ってほしい!」という方は、HPお問い合わせLINE公式@789jqwrs ・お電話(052-971-3276) よりお気軽にご相談ください*名古屋市内・近郊でしたら対応可能です

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